第一三共:ADC技術で世界をリードする成長株の全貌

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第一三共(4568)は、独自のDXd ADC技術を武器に国内製薬企業で最もダイナミックな成長を遂げており、アナリスト全員が「買い」以上の評価を付与する minkabu注目銘柄である。主力製品エンハーツは2024年にADC市場売上世界トップを獲得し、AstraZeneca・Merckとの総額約4.6兆円規模の大型提携により、グローバルオンコロジートップ10入りを目指す成長軌道にある。ただし、2024年8月の史上最高値6,257円から現在約3,500円まで約45%下落しており、ダトロウェイの期待後退やリクシアナの特許切れリスクなど、投資判断には複数の重要なリスク要因を考慮する必要がある。

株価は高値から大幅調整、バリュエーションに妙味
第一三共の株価は2024年8月30日に史上最高値6,257円を記録した後、急激な調整局面を迎えた。 irbankNote2025年4月11日には年初来安値3,036円まで下落し、 Yahoo!ファイナンス2026年1月時点では3,440〜3,540円前後で推移している。この下落の主因は、後続ADC「ダトロウェイ」の市場期待後退、トランプ政権の医薬品関税政策への懸念、 Noteそして2027年に控えるリクシアナの特許切れリスクである。 Note
長期的な視点では、株価は過去5年間で約2倍に成長している。時価総額約6.5兆円 yahooirbankは国内製薬3位の座を維持しており、PER 22.2倍、PBR 3.9倍 yahooKabuyohoという水準は製薬大手として中程度の評価といえる。注目すべきは、アナリストのコンセンサス目標株価5,456〜5,695円が現在株価を約50〜60%上回っている点で、市場は中期的な株価上昇余地を見込んでいる。配当利回りは2.26% Kabuyohoで、予想配当78円( yahoo前期比18円増配) daiichisankyoYahoo!ファイナンスと株主還元も着実に強化されている。

5期連続の過去最高益、売上2兆円時代へ突入
第一三共の業績は驚異的な成長軌道を描いている。2025年3月期の売上収益は1兆8,863億円(前年比+17.8%)、営業利益3,319億円(同+56.9%)、当期純利益2,958億円(同+47.3%) daiichisankyoと、** Note5期連続で過去最高益を更新した。特筆すべきは、わずか5年間で売上は約2倍、営業利益は約5倍に急成長した点である。ROEも5.97%(2021年)から18.22%**(2025年)へ大幅に改善し、収益性の高いビジネスモデルへの変革が進んでいる。
2026年3月期の業績予想は、売上収益2兆円( MixonlineDaiwair前年比+6.0%)、営業利益3,500億円(同+5.4%)を見込む。 daiichisankyoこの成長を牽引しているのが、主力製品エンハーツであり、2024年度の売上収益は5,528億円( Ten-navi前年比+39.6%)に達した。セグメント別では、オンコロジービジネスユニットが4,638億円(同+38.6%) daiichisankyoと最も高い成長率を示し、海外売上比率は約69〜70%まで拡大している。 Business Insider Japan財務面では自己資本比率47.0%、 yahoo有利子負債比率6.24%と極めて健全な状態を維持しており、研究開発費4,329億円( And-pro売上高比23.0%)という積極投資を支える財務基盤が整っている。 daiichisankyo

エンハーツが切り拓くADC革命、1次治療でも新標準に
第一三共の成長エンジンは、独自のDXd ADC(抗体薬物複合体)技術プラットフォームに集約される。 BioPharma DiveYahoo Financeその象徴であるエンハーツ(トラスツズマブ デルクステカン) daiichisankyoは、2025年12月にHER2陽性転移性乳がんの1次治療としてFDA承認を取得し、「10年以上ぶりの1次治療新薬」という画期的な地位を獲得した。 AstraZenecaFDAさらに2025年1月にはHER2超低発現乳がんへの適応拡大も承認され、 And-prodaiichisankyo対象患者層は転移性乳がんの約90%をカバーするまでに拡大している。
エンハーツに続く第2のADCとして期待されるダトロウェイ(Dato-DXd)は、 Diamond2025年1月に米国でHR陽性・HER2陰性乳がん適応で承認を取得した。 Daiichi Sankyo +2ただし、非小細胞肺がんでの適応申請は全生存期間の有意差が示せず一度取り下げとなり、 Ten-navidaiichisankyo当初想定された1,000億円規模の売上見込みは数百億円規模に下方修正された。 Noteこの期待後退が株価調整の一因となっている。 Note
パイプラインでは、Merckと共同開発中のI-DXdが小細胞肺がん対象でFDA画期的治療薬指定を取得する DSIdaiichisankyoなど、後続品の開発も着実に進展している。現在、臨床開発段階にある8つのADC製品を擁し、 Daiichisankyo +22030年までに5つのADCで30以上のがん種承認を目指す壮大な計画が進行中である。 Yahoo Finance

世界最大級の提携網がグローバル成長を加速
第一三共の競争優位性を支えるのが、世界的製薬大手との戦略的提携である。AstraZenecaとはエンハーツとダトロウェイで daiichisankyo最大約1.4兆円、 Ten-naviMerckとは3つのADC候補(HER3-DXd、I-DXd、R-DXd) daiichisankyoで最大約3.3兆円という、製薬業界史上最大級の提携契約を締結している。 ToyokeizaiNoteこれらの提携により、日本以外の市場での共同開発・販売体制を構築し、開発費負担を分散しながらグローバル展開を加速させている。
国内製薬業界において、第一三共の成長率+25.3%(2024年3月期)は39社中で断トツのトップであり、2025年度には売上高でアステラス製薬を抜いて国内3位に浮上する見通しである。ADC市場に限れば、エンハーツは2024年に世界売上トップ(約37.5億ドル、市場シェア約27.7%)を獲得し、Pfizer/Seagen、Roche、Gileadなどの競合を凌駕している。DXd技術は業界で「best-in-class」と評価されており、 Nikkei +2トポイソメラーゼI阻害剤ペイロードと切断可能リンカーの組み合わせによる高い有効性が競争優位の源泉となっている。

アナリストは全員買い推奨、ただしリスク要因は複数存在
証券アナリストの評価は極めてポジティブである。2026年1月時点で、強気買い11名、買い5名、中立・売りは0名という構成で、コンセンサス判断は「強気買い」。目標株価のコンセンサスは5,456〜5,695円で、現在株価から50〜60%の上昇余地を示唆している。 Minkabu目標株価の上限は7,600円、下限は4,600円となっている。 moomoo
一方で、投資判断において考慮すべきリスク要因は複数存在する。最も重要なのはリクシアナの2027年特許切れで、現在2,000億円超の売上を持つ主力製品がジェネリック参入により大幅減収となる可能性がある。 Note次に開発リスクとして、HER3-DXdのNSCLC申請取り下げ Iyakutsushinshaやダトロウェイの期待後退に見られるように、 daiichisankyo臨床試験結果が業績を大きく左右する製薬業界特有のボラティリティがある。 Yahoo Financeさらに為替リスク(海外売上比率70%)、米国関税リスク(トランプ政権の医薬品関税政策)、薬価改定リスクなども注視が必要である。
株主還元については、 NikkeiDOE(株主資本配当率)8%以上を目標に掲げ、 Buffett Code2026年3月期は年間配当78円(18円増配)を予想。加えて、2025年4月には上限2,000億円の自社株買い枠を新設する Nikkeiなど、積極的な姿勢を示している。 Nikkeidaiichisankyo

結論:ADCリーダーの地位は確立、次なる課題はエンハーツ依存からの脱却
第一三共は、独自のDXd ADC技術により、国内製薬企業の中で最もダイナミックな成長を遂げ、グローバルオンコロジー市場で確固たる地位を築いた。エンハーツの成功は疑いようがなく、1次治療承認取得により成長余地はさらに拡大している。 Ten-naviアナリスト全員の買い推奨と50%以上の株価上昇余地という評価は、同社の中長期的な成長ポテンシャルを反映している。
しかし、投資家が注視すべきは「選択と集中」の裏返しであるエンハーツへの依存度の高さ(売上の約36%)と、後続ADCの開発進捗である。ダトロウェイの期待後退は、パイプライン分散の重要性を再認識させた。2027年のリクシアナ特許切れを乗り越え、 Note2030年のビジョン「グローバルオンコロジートップ10」を実現するためには、 daiichisankyoI-DXdやHER3-DXdなど後続製品の成功が不可欠となる。 Ten-navi株価がピークから約45%調整した現在は、これらのリスクがある程度織り込まれた水準といえるが、今後の臨床試験結果や為替動向により、短期的なボラティリティは継続する可能性が高い。 Note中長期投資家にとっては、ADC技術のグローバルリーダーとしてのポジションを評価しつつ、パイプラインの進捗を継続的にモニタリングすることが肝要である。

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